元日本代表監督の岡田武史氏(59=四国リーグFC今治オーナー)が28日、Jリーグチャンピオンシップ準決勝を中継したスカパー!の解説を務めた後、年間勝ち点上位の浦和を下したG大阪の勝因を分析した。

 緊張が伝わってくる質の高い試合だった。横浜の監督時代は、03年が完全優勝でチャンピオンシップ(CS)なし。第1ステージだけ制した04年は「年間勝ち点1位が優勝だろ」と思っていたけど、いざCSを戦ったら本当に面白かった。今回も緊迫感があったし、一発勝負の醍醐味(だいごみ)をあらためて感じた。

 東口はマン・オブ・ザ・マッチにふさわしい出来だった。守備を破らせないのが戦術だが、破られた後は個の勝負。勝ちにできるか負けになるかはGKしだいだ。以前(元イングランド代表監督の)カペッロが「俺は良いGKがいないクラブには絶対に行かない」と言っていたことを、この日の東口を見て思い出した。

 (丹羽の)バックパスがポストに当たった後のパス出しも、頭で考えていたか分からないけど、実に速かった。そして冷静につないだ遠藤。人が弱ってる時に強いんだよ、あいつ(笑い)。ワンタッチでスパーンと縦パスを入れ、集中が切れていた浦和を仕留めた。

 (長谷川)健太も本当にいい監督になった。勝つために必要な細部へのこだわりを貫いていた。終盤、3連続で凡ミスした遠藤は普通だったら交代なのに、前線にポジションを上げることで生かした。今ちゃん(今野)の先制点につながったプレスも指示だと思うし、素晴らしい采配だった。

 決勝の第2戦(12月5日午後7時)もスカパー!で解説する予定。ゲストの元日本代表監督のアルベルト・ザッケローニ氏、元日本代表MFの水沼貴史氏とともに試合に深みを加える。