J2札幌の四方田修平監督(42)が28日、クラブからのオファーを受諾し、正式に来季続投が決定した。今季は7月にバルバリッチ前監督(53)から交代し、17試合で6勝4分け7敗、10位でシーズンを終えた。キャンプからチーム作りができる16年に向け「今季より自分の色を、深く出していく」と、四方田イズムを強く打ち出していく姿勢を示した。

 分析肌の指揮官が来季、本領を発揮する。まず続投決定を受け16年への決意を表明した。「札幌は長く所属させてもらったクラブ。大好きなチームから、また来年監督をやらせてもらえるのはありがたい。J1昇格という目標へ、自分の持つ力をすべて出し全身全霊でぶつかる」。退路を断ち、クラブとは1年契約で、雪辱のシーズンに挑む。

 途中就任の今季、7月に指揮を託された際、戦い方を大きく変えずに、バルバリッチ監督が採用していた4-3-3を踏襲した。4試合目の8月15日岡山戦から3-5-2、さらに6試合目で状態の上がってきた小野をトップ下に配置し、攻撃の形がふくらんできた。「今季は徐々に自分の色を出していった。来季は、それをより深めていければ」。一からチームをつくれる16年は、最初から思うまま、J1昇格に適した集団へと組み替える。

 その中には、システムの大幅変更もプランにある。今季終盤は小野中心の3-5-2で、シュート数も増え、形ができあがってきた。まずは守備のバランスを崩さないことが大前提だが、補強の結果次第では、4バックへの変更も想定している。現在、クラブでは3人の外国人選手の獲得を目指している。戦力増強にともない、4-2-3-1、中盤をひし形にした4-4-2など、多くのパターンを試しながら、2月28日の開幕に照準を合わせることも考えている。

 最終的な判断は、武器である分析眼をベースにする。「今季17試合でつかんだものがある。それに加え、1シーズン通して分析をしっかりやり、その上で準備し(キャンプの)50~60日で浸透させる」。対戦する21クラブの特長、今季の戦い方を精査し、チーム全戦力が効率よく機能する戦い方を見いだし、高確率でJ1へあがれる策を、実践していく。【永野高輔】