C大阪は愛媛と0-0で引き分けたが、シーズン上位が勝者となる規定で決勝進出。決勝は12月6日にヤンマースタジアム長居で行われる。

 C大阪が九死に一生を得た。同点のまま迎えた後半ロスタイム。勝たなければ決勝に進めない愛媛の猛攻にあった。相手のショートコーナーからのクロスが混戦となり、ボールはGKキム・ジンヒョンの左脇の下を通り過ぎた。悲劇的な敗戦か-。誰もが思った。

 次の瞬間、守備に戻ったFW田代有三(33)が飛び込んできた愛媛DF浦田と競り合い、約50センチ差で防いだ。相手GKの前にボールがこぼれたがミスショットに救われ、ヒヤヒヤのドロー。リーグ順位が上回っていたことで、辛うじて決勝に進んだ。田代は「後ろ(守備)が踏ん張ってくれたことに感謝している。最後の最後で守りきることができた。次は(J1を)手繰り寄せる点を決める」と胸をなでた。

 勢いはない。ボールを追うひたむきささえ、無名選手を集めた愛媛が上だった。FW陣は9月23日水戸戦で田代とエジミウソンが得点を挙げたのが最後で、これで10戦無得点。リーグ戦はラスト10戦が2勝4分け4敗で、この日も勝てなかった。決勝を戦う9連勝中の福岡との差は歴然だ。

 大熊監督は「次に関してはバランスを崩してでも果敢に点を取りに行くことが必要」。MF山口主将は「好機を決めきらないといけない」と気を引き締めた。幸運にも決勝の舞台は本拠地長居。地の利を生かして、勝つしかない。【益子浩一】