J3福島のサッカー場整備を後押しする、「福島市にサッカースタジアムをつくる会」が25日、小林香福島市長(56)に、専用スタジアムの早期実現を懇願する4万5685人の署名と要望書を提出した。小林市長は関係団体と今後協議する意向を示し、前向きな姿勢を見せた。

 署名を手渡した「つくる会」の渡辺博美会長(68)は「福島市だけでなく、遠く全国から署名をいただいた」と話した。昨年7月から今月21日までに集まった4万5685人の中には、Jリーグ村井満チェアマン(56)の名前もある。他クラブのサポーターも「福島頑張れ」と激励を込めて、快く書いたという。

 市内にある福島のホーム、とうほう・みんなのスタジアム(とうスタ=県営あづま陸上競技場)は、J2の基準を満たしていない。1万席以上が求められる固定席は約6500。必要とされる照明設備もない。試合では芝が傷んだ部分もあり、昨秋はJリーグからピッチの改善勧告を受けた。

 J3で優勝しても昇格できない現状を憂慮し、昨年2月に市内の経済関係者を中心に「つくる会」が発足。とうスタは、JR福島駅から車で30分ほどかかり不便だ。そのためアクセスのいい場所へ、国際試合が可能な専用スタジアム建設を要望した。小林市長は自身が「サッカー少年」だったことを明かし「環境整備は考えているところ。サッカーには強い信念を持っている。協議していきたい」と前向きな発言をした。

 同席した福島の鈴木勇人社長(43)は「子どもたちが自転車で来たり、高齢者が立ち寄れるような、街の中につくりたい」と希望した。場所、費用、運営方法など建設へのハードルはかなり高いが、行政と市民一体となって実現を目指す。【久野朗】