仙台は宮崎・延岡キャンプ5日目の8日、J2群馬と練習試合(35分×4本)を行い、3-0で勝利した。今季、渡辺晋監督(42)から「チームの顔」指令を受けたMF奥埜博亮(26)が、2本目33分に先制ゴールを決めるなど存在感を存分に発揮した。今年初のJチーム相手の実戦でも攻守で中心となる活躍を見せ、完封勝利に貢献した。

 奥埜らしい先制ゴールで流れを引き寄せた。0-0の2本目33分。ゴール前右から一直線にゴール左隅に沈めた。「自分が抜けようと思っていたがタクマ(FW西村)が抜け、良いところへ落としてくれたので決めるだけでした」。連係もバッチリの先制弾に満足そうな表情で振り返った。

 初代ミスターベガルタ・千葉直樹氏の背番号「7」を引き継いだ生え抜きで、昨季は副将も務めた。今年は渡辺監督からも直々に「お前はチームの顔。引っ張るつもりで、今まで以上に『顔』として責任感を持ってやって欲しい」との特命を受けたばかり。「チームの中でも(在籍年数が)長い方ですし、そういうことを意識しつつ、しっかりやっていきたいと思います」と自覚も十分だ。

 勝利にこだわる姿勢を見せることでけん引する。この日の先制点は前回1日の練習試合(東海大熊本戦)に続き2戦連発。「どういう試合でも勝つ。練習からでも勝ちにこだわっていきたい」。ユースの後輩も増えた今季は「プレーはもちろんですが、声も出していかないといけない」と言う。

 今月18日に東京で開催されるJリーグのプレスカンファレンスにもチームの代表として参加する予定。関係者の話では16年のチームポスターでもセンターをゲット? したようで「中心になってやれるのは光栄。ちゃんと映っていたらいいな~」と笑顔だ。まずは「キャンプでの競争に勝ち、開幕戦のピッチに立てるよう。シーズンでは今年こそ2桁以上の点を取りたいです」と力強く話した。【成田光季】