磐田は11日、鹿児島キャンプを打ち上げた。Jリーグ・スカパー! ニューイヤー杯では3戦全勝でタイトルも獲得した。名波浩監督(43)が「(チームへの)忠誠心と仲間意識」をテーマに掲げた16日間にわたる今キャンプ。密着取材を続けてきた神谷亮磨記者(30)が、チームの現状を踏まえた収穫と課題をチェックした。

<収穫1・結束>

 磐田の選手たちは充実した表情にみえた。名波監督も「ハードな中で選手はよくやってくれた」と総括した、3季ぶりのJ1を見据えた鹿児島キャンプ。その内容を整理したい。

 ピッチ内外で選手間の積極的なコミュニケーションがあった。試合の課題や修正などお互いの意見をぶつけるシーンが練習で多く見られた。オフに自由時間を設けた同監督は「コミュニケーションを取っていたことが目に見えた成長」と分析した。

<収穫2・守備安定>

 前線から敵のパスコースを限定し、ボールを奪うポイントを明確にした。攻撃から守備への切り替えを強く意識し、帰陣のスピードも向上。ニューイヤー杯は3戦無失点で被シュート数も1試合平均約5本と好データだ。

<収穫3・新戦力>

 6日の清水戦は新人のMF荒木大吾(21)とFW小川航基(18)で決勝点。DF高木和道(35)DF大井健太郎(31)DF中村太亮(26)ら守備陣も存在感を示し、定位置を確保しそうだ。高木は「あとはいい準備をするだけ」と手応え十分だ。

 課題ストライカー ヒラメ筋肉離れでFWジェイ(33)が別調整。指揮官は「ぶっつけ本番になる可能性がある」と。控え中心だった10日のJ3鹿児島戦は後半0点と精彩を欠いた。 FWの不安材料はあるが、名波監督は「磐田に帰って課題をつぶしていく」と強調した。チームは14日から磐田市で練習再開。あと16日に迫った開幕に向けて最終調整に入る。