浦和のミハイロ・ペトロビッチ監督(58)が16日、鹿児島・指宿での2次合宿を総括した。期間途中からマンツーマン守備、積極的な最終ラインの押し上げなどを徹底し、より高い位置でボールを奪い返しての攻撃サッカーを目指した戦術練習を重ねた。

 「我々は戦術的に前に人数をかけて攻撃するチーム。これまではボールを失うと、切り替えのところでカウンターを受け、全体が下がらなければいけない状況が多かった。全員が早く攻守を切り替え、相手陣内ですぐにボールを奪い返すことができれば、走る距離は節約できる。さらに相手の守備が整う前に攻撃も仕掛けられる」。

 当然、リスクはある。戦術練習に取り掛かった直後の練習試合では、最終ラインに1人しかいない状況で、ショートカウンターを受けるような場面もあった。

 「ボールを失った瞬間、私たちは攻撃に人数を割いている。そこで早く切り替えなければ、相手は落ち着いてカウンターを仕掛けられる状態になる。そこでいかに選手が素早く攻守を切り替え、相手のボール保持者にプレッシャーをかけられるか。そしてもう1度ボールを奪い返し、2次、3次攻撃を仕掛けていけるか」。

 タイトルはのどから手が出るほどほしい。それでも、攻撃サッカーを貫くことで、宿願を達成することにこだわりぬく。

 「物事には善しあしがある。リスクを負う部分はもちろんあります。ただ、浦和は多くのファン、サポーターがスタジアムに足を運んで、熱心に応援してくれるクラブ。見る者を魅了する『何か』を常に求めて、やっていかなければいけません」。

 チームは17日午前に指宿で合宿最後の練習を行った後、さいたま市に戻る予定。24日には今季公式戦初戦となる、アジア・チャンピオンズリーグ1次リーグ、シドニーFC戦(埼玉)に臨む。