浦和はMF柏木陽介(28)が、復調ののろしとなる今季初得点を挙げた。

 後半33分。右サイドでボールを持つと、MF森脇、石原、FWズラタンとダイレクトパスを交換しながら、ゴール正面に進出。左サイド方向に流れながら、ゴール右サイドネットを揺らす難しいシュートを決めた。

 背番号10での初得点を、背中を指さしてアピール。結婚を発表した直後の一撃ということもあって、スタジアムの祝福ムード、そして逆転ムードは最高に高まった。しかし4分後、チームは磐田に勝ち越しゴールを許した。見事なゴールで生まれた勝利の流れを断ち切られ、柏木は「みんなそう思ったと思うけど、結果はこうだから」と言葉少なに首を振った。

 「前半の失点はミス絡みの失点。でもあそこからつなげていければというのは、うちのチームにはある。周ちゃんとか槙野の責任じゃない。入り方が悪かった分、そういうところに出てしまった。2失点目もセットプレーの流れだったけど、ボールに寄せる人、後ろから走り込んでくる人に寄せる人、ボールにアタックする人、3点とも甘さがあった。そういうところの失点が今までよりも多い」。

 柏木本人は得点以外にも鋭いスルーパス、的確なサイドチェンジなど、磐田の守備網を切り裂く左足キックで何度も好機を演出。左ひざのケガによる出遅れの影響が顕著で低調だった、リーグ開幕戦の柏戦に比べ、だいぶ復調したことを印象づけた。

 「コンディションもよく、余裕をもってプレーできていた。だからもっと使ってくれてもよかったかなとも思う。もっと簡単にボールを預けて、1タッチでチョンチョン、というのが増えれば。全体として横、横というパス展開が多かったけど、縦入れて、横入れてというのがないと。こっちの縦パスを相手が狙っているから怖いのは分かる。そこをチャレンジしていかないと、ブロックつくってくる相手を崩すのは難しい。次の福岡もそうかもしれん。そういうチームに絶対に負けてはアカンと思ってます」。

 昨季は開幕から負け知らずで、第1ステージを無敗のまま制覇した。それが今季は第2節で、昇格組の磐田に黒星を喫した。「何が原因かというと、明確にはよく分からん」と言いつつも、反省を繰り返す。

 「チャンスをつくっても決められてない。そこも上げないと。海外の強いチームは絶対にそこは決める。切り替えも全体的に遅かった。守ってくる相手にそこができれば、2次攻撃、3次攻撃もできる。もっと意識しないと。ミドルも増やしたい。相手の守備陣が警戒して出てくれば、こっちの攻撃の選択肢も増える。シンプルにサイドに展開するという攻撃パターンが読まれつつある中で、使い分けができればいいと思う」。