東京の元日本代表FW前田遼一(34)が、頭でゴン中山に並ぶ。今日11日の神戸戦(味スタ)で、ヘディング弾を決めれば、頭でのゴールが通算44点になり、元同代表FW中山雅史(48=アスルクラロ沼津)に並んで1位タイとなる。通算得点では広島FW佐藤が158点に更新したが、ヘディングに限れば前田が頭1つ抜けだそうとしている。

 FW前田の頭が、J1記録の頂点に届こうとしている。ヘディングであと1点取れば、中山に並ぶ44点。「中山さんに並ぶっていうのはうれしいね。一緒にやっていて、すごさが分かっているから」。10日、神戸戦前日練習を非公開で終え、素直な気持ちが口に出た。前節仙台戦では利き足の右で技ありゴールを決め、今季初勝利に貢献。右=59、左=42、頭=43(その他3)とまんべんなく決めてきた理由をこう説明する。

 「練習の中で得意の足だけで蹴る人が多いと思うけど、自分は右足だけにならないように意識してやってきた。左足でもヘディングでも。あとは試合の中で自然に体が動いてくれるから、どこで決めようって意識はしない」。実は頭だけじゃなく、利き足とは逆足ゴール数42も通算1位。前節158点目を決めた広島FW佐藤が、利き足で101点決めていることを考えれば、どこでも点を取れることが前田の強みでもある。

 若手時代から手本にしてきた中山とはまた別のストライカーだと自覚している。「中山さんほどのスピードがないから、まずはクロスに合わせられるタイミングを見て飛び込むことを考えてやってきた。合わせる部位は二の次」。どこでも決められる自信があるから、はっきりそう言い切れる。【栗田成芳】