J2山形はホームで町田と対戦し、0-1で完封負けした。これで4連敗、開幕から7戦未勝利となった。試合後にはサポーターの元へ、森谷俊雄社長(61)が直々に謝罪に出向く異例の事態となった。さらにサポーターらは約2時間にわたって“座り込み”を続けるなど、不穏な空気がスタジアムを包んだ。

 また負けた。これで開幕7戦未勝利、順位も単独最下位のまま変わらない。前半9分にDF山田がPKを献上し失点。後半32分にはDF宇佐美が一発レッドで退場するなど、試合内容も散々だった。DF渡辺広大は「相手にやりたいようにやられた」と唇をかんだ。

 試合中からブーイングが飛び交う異様な雰囲気。敗戦の瞬間にはサポーターの怒りは頂点に達した。試合後、ゴール裏へあいさつに来た選手には激しいバッシングが降り注ぎ、森谷社長は自らの判断で拡声器を持ってサポーターに謝罪を述べた。「結果につながらず申し訳ありませんでした。選手たちも精いっぱい頑張っています。これからも応援よろしくお願いします」。

 しかしサポーターの怒りは収まらず、客席に座り込んだまま声を荒らげた。試合が終了した午後2時55分から場所を動かず「説明しろ!」「監督を出せ!」と叫び続けた。故障者が多い台所事情とはいえ、復調の兆しが見えない戦いがつらかった。次節は宇佐美とMFアルセウが累積警告で出場できない現実もあり、蓄積された不満が爆発した形だ。

 午後4時20分頃には、石井テクニカルダイレクター(TD)と仲井川強化運営取締役の2人が足を運び、話し合いが行われた。30分以上やりとりは続き、クラブ側は「うまくいっていない理由を整理し、今後どう対応できるか検討する。きちんと分析をし(サポーターらに)お示しできるようにしたい」と話し、事態は収束に向かった。

 石崎監督は「DFはある程度集中していたが、不運なPKということもあり…サポーターのみなさんには大変申し訳ない」と眉間にしわを寄せた。06年の開幕8戦勝ちなしのワースト記録に並べば、事態はさらに厳しいものとなるだろう。次節(17日)は再びホームで、3位の札幌を迎え撃つ。【成田光季】