“チンゴール”で珍記録にランクインした。

 甲府DF津田琢磨がJ1初ゴールを奪った。35歳6カ月6日でのJ1初ゴールは歴代5位の年長弾。日本人ではラモス氏に次ぐ2位の記録となった。

 0-0の前半5分だった。ショートCKからFWクリスティアーノ(29)のクロスにファーサイドへ走った。混線となったが、体ごと倒れ込みながら、左膝に当てた。1度はGKにはじかれたが、こぼれ球を股間付近で押し込んだ。チームメートにもみくちゃにされながら祝福された。先制点で昨年8月以来となるホーム勝利を呼び込んだ。

 津田は「きれいなゴールでないあたり、自分らしかったですね。狙ってはなかったですけど、次も狙いたいです」。J2では6得点しているが、J1ではプロ14年目で初ゴール。「かっこ悪いですよね」と照れ笑いした。

 ただ実はすごい記録だった。同記録の1位はジーコ氏(40歳2カ月13日)2位はラモス氏(36歳5カ月26日)、3位はベベット氏(36歳1カ月16日)、6位は木村和司氏(34歳11カ月11日)、7位はフォルラン(34歳10カ月4日)と名選手ばかり。データを知らされると「申し訳ないですね」と恐縮した。

 約束のゴールでもあった。試合に向かう前、自宅玄関でのことだった。次男凰良(おうら)くん(5)から声をかけられた。「パパ点取ってきてね」。普段、得点をお願いされることはない。だが「取ってくるよ」と返した。すると、その言葉通りゴールが生まれた。実は7年ぶりゴールだった前回得点時の12年6月のJ2富山戦でも凰良くんを抱いて入場していた。「何か持ってるんです」。幸運を呼ぶ凰良くんに感謝していた。