開幕から7戦2分け5敗で単独最下位のJ2山形が、今季初の4バックを導入する。システム4-2-3-1で今日17日のホーム札幌戦に挑む。16日、天童市内で最終調整を行った石崎信弘監督(58)は「チャミがおらん」とDF宇佐美の出場停止を嘆きつつも、従来の3-4-3ではなくセンターバックを1枚削る苦肉の策をひねり出した。前節町田戦から先発4人を入れ替える大胆布陣でトンネルを脱出する。

 石崎監督は過去にもシステム変更でチームを浮上させていた。就任1年目の14年9月のJ2水戸戦で4バックから3バックに変更して勝利をつかみ、そこから一気にJ1へ昇格した。

 先週6日に4バックを試し1度は見送ったが、今週12日から再度取り組んだ。今季初先発のDF田代と組むDF渡辺は「やることは変わらない。メンバーがかわるので意思疎通が大事」と気を引き締めた。

 システム変更の真の狙いは攻撃の活性化にある。石崎監督は「2人の良さを生かすにはサイドハーフが1番」と2列目右にMF伊東、同左にMF汰木(ゆるき)を今季初先発で抜てき。左右に快速ドリブラーを配置し、間延びしていた中盤を引き締める。

 破壊なくして創造なし。シーズン中のシステム変更という「劇薬」投入が吉と出るか凶と出るか。「新しい人がでるんじゃ、楽しみにしとけ」と不敵に笑った。石崎監督のタクトで最下位山形が変貌を遂げる。【高橋洋平】