震災の影響で九州に本拠地を置くクラブの公式戦が延期になる中で、九州勢で唯一、敵地で試合をこなした北九州が意地を見せた。

 今季まだ無敗の首位C大阪に後半ロスタイムまで1点をリード。最後の最後で、総攻撃を仕掛けてくる相手に失点して引き分けに終わったものの、胸を張れる勝ち点1を手にした。

 柱谷幸一監督(55)は「九州でのJリーグが、全て中止になった。(17日に敵地京都戦が予定された)熊本も試合ができない。九州のチームでは我々だけが試合ができる。選手には、サッカーができる喜びを味わおう。九州の代表として、フェアに戦い、結果を持ち帰ろうと話しました」と明かした。

 前半44分、故障から復帰し今季初先発したFW原一樹(31)がFK弾。原は「(被害の少ない)北九州でさえ、眠れない日々が続いている。(地震を知らせる)携帯のブザーが鳴り、揺れが続いている。サッカーをするのは賛否両論あると思うけれど、その中でも(被災者に)勇気を与えたい。たくさんの人々に力を与えたい。何か、手助けができればいいと思って、僕たちは戦っている」と真剣に話した。