浦和MF宇賀神友弥(28)が、飛び入りで浦和駅前でのチラシ配りに参加し、周囲を驚かせた。18日のアジアチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦、FCソウル戦の告知のため、浦和のスタッフは16日午後6時から街頭でチラシを配りだした。

 するとそこに突然、パーカー姿の宇賀神が「銭湯に行く途中なんだけど」と冗談めかしながら登場。スタッフからチラシを分けてもらい、おもむろに配りだした。

 「大学時代もチラシ配りはしたことがある」と宇賀神。時に握手を求められながら、浦和駅の西口、東口でチラシを配り歩いた。

 クラブ幹部から「本当にありがとう。あとはオレたちでやるから」と背中をおされ、ようやく引き揚げた。その背中を見ながら、スタッフは「あいつらしい」とポツリとつぶやいた。

 やはりチラシ配りに参加した、野崎トレーナーから伝え聞き、飛び入り参加を決めた。FCソウル戦は、大会屈指の好カードとの呼び声もある。しかし宇賀神は「きっといい試合になる、というだけでは、普通の人はなかなか観戦には来てくれないですよね」と冷静にとらえる。

 ただでさえライバル意識が高い緊張感をもたらす日韓戦。しかもお互い美しい攻撃サッカーを志向するクラブ同士とあって、好内容になるのは間違いない。見に来てくれさえすれば、必ず浦和のサッカーのとりこにしてみせる-。そんな思いもあって、宇賀神は街頭に立つことを決意した。

 運営やスポンサー営業、チケット販売などのスタッフと、選手が肩を並べて仕事をする機会は多くはない。宇賀神の「一緒に戦っている」という姿勢は、クラブに一体感を生むことにもつながる。

 実際、宇賀神の登場で、スタッフの士気も一気に上がった。大事な一戦を前に、選手会長が「クラブ一丸」の重要性を自ら示した。