浦和は23日、アジアチャンピオンズリーグ(ACL)決勝トーナメント1回戦のFCソウル戦に向け、韓国入りした。

 午後には、会場のソウルW杯競技場サブグラウンドで練習を開始。周囲に視線をさえぎるものが何もなく、敷地内のショッピングモールの客や散歩する人々が通り掛かったが、ペトロビッチ監督はかまわず戦術の確認を進めた。

 縦パスの入れ方や、最終ラインの選手のボールを持っての上がり方など、細かい指示も続いた。指揮官は常々「うちは隠し立てするようなことは何もない。練習を見てもらった上で『では試合ではどんな展開になるのかと』思いをめぐらせてもらうのも、サッカーの楽しみ方の1つでもあるから」と話してきた。

 ホームでの第1戦は1-0で勝利。引き分け以上はもちろん、1点差負けでもアウェーゴールを奪えば、前年度優勝で準々決勝へシードされた08年以来の8強入りとなる。アドバンテージを生かしたい大事な試合だが、ペトロビッチ監督はいつもと変わらず、フルオープンで準備を進める。

 サッカーを楽しんでもらいたいという哲学とともに「自分たちのサッカーができれば勝てる」という強い自信も垣間見える。第1戦の前日会見では、優勝候補の一角、FCソウルとの対戦を「アジアサッカーのトレンドを示す試合になる」ととらえていた。5年間かけて熟成させてきたペトロビッチスタイルの力を、大会の行方を占う一戦でアジアに示す。