ホームのJ2清水が5戦ぶりの白星を記録的大勝で飾った。8-0で群馬に快勝。前半3分、MF白崎凌兵(23)の2戦連発弾を皮切りにFW鄭大世(32)FW大前元紀(26)が2得点ずつマーク。MF村田和哉(27)も2ゴールを挙げるなど、攻撃陣が大爆発した。J2最多タイの大量8ゴールを奪い、守備陣も9試合ぶりの完封。試合前日の選手ミーティングが功を奏し、浮上のきっかけをつかむ価値ある1勝を挙げた。

 歴史的なゴールラッシュだった。前半3分、MF白崎が右足で先制点を挙げると、同15分に右CKからFW鄭がヘディング弾。CKからの得点は今季初で、小林伸二監督(55)も「待望の1点だった」。2得点1アシストの鄭は「CKからようやくきれいに合わせられた」と胸を張った。前節終了時でCK数はリーグ最多の86本。好機を演出しながら成績が出なかったこともあり、主将のFW大前も「CKから取れればチームが楽になる。きれいな形だった」と満足げだ。

 同17分には大前が今季J2最速となる10点目、同試合でJ通算100試合目のMF村田が40分に今季初得点を挙げた。後半も鄭、大前、村田が追加点を挙げ、最後はFW金子翔太(21)の今季初ゴールで圧勝劇を締めくくった。試合前日、チーム最年長のGK西部洋平(35)が発案して選手によるミーティングを敢行。練習後、グラウンドで30分以上も意見交換した。「本気でJ1を目指そう」「若手が声を大にして言える環境を作ろう」。率直な意見をぶつけ合い、多くの選手は「目指す方向性を再確認できた」と口をそろえた。一丸となって勝ち点3をつかんだ。

 記録的大勝を収めたが、首位札幌との勝ち点差は10のまま。大前は「ここから3連戦を全勝して上との差を縮めていく」と言えば、鄭も「連勝しなければ意味がない」と表情を引き締めた。J2最多タイとなる「8発」をマークした清水が、勢いそのまま上昇気流に乗っていく。【神谷亮磨】

<清水の大量得点>

 ▼清水のリーグ戦での最多得点は「6」で過去に4度記録。98年9月12日、福岡戦(6-0)01年10月13日、神戸戦(6-3)10年8月1日、湘南戦(6-3)13年10月19日、鳥栖戦(6-4)。

 ▼J2での最多得点は13年7月3日、G大阪が8得点(8-2岐阜)を記録。J1では98年磐田の9得点(9-1C大阪)が最多記録。

 ▼「8点差」での勝利はJ2新記録。J1では98年磐田-C大阪戦(9-1)と03年大分-神戸戦(8-0)が最多記録。