岩手の星にチャンス到来! 仙台のMF藤村慶太(22)が、右太もも肉離れで戦線離脱したベテランMF野沢拓也(34)の“代役”として、次節9日のアウェーG大阪戦で起用される可能性が出てきた。プロ入り5年目の万能型MFが、故障者続出のチーム浮上の鍵を握る。

 若手の台頭を示す。チームに欠かせない存在として奮闘を続けてきた野沢の長期離脱発表から1日。雨の中行われた6日の紅白戦で、藤村が1本目から主力組に入り梁、奥埜と並び前線でプレーした。渡辺監督は「もちろんケイタ(藤村)も組み合わせの中にある」と起用を示唆。現在チームは故障者6人と苦しい台所事情の中、器用な若手MFが穴を埋める活躍を誓う。

 スタメン出場となれば、今季は2試合ぶり3戦目。盛岡商時代から本職はボランチだが、サイド、サイドバック、FWと経験豊富で「どの位置でも出られる準備はしてます」と頼もしい。昨季はほぼ全てのリーグ戦でベンチ入りし、今季はここまで11戦269分間の出場。東北出身の生え抜き選手で、今月3日に岩手・陸前高田市で行われた川崎Fとのドリームマッチではキャプテンマークを巻いて地元で躍動した。

 それでも「まだサポーターの皆さんには認めてもらえていないというか…。必要とされる選手って感じじゃないと思うので」と謙虚だ。「使ってもらえるとしたら、野沢さんみたいな動きを目指してやりたいと思ってます。周りの人たちに認めてもらえるような活躍をしたい。結果を出したいですね」。さわやかな笑顔の裏で、静かに闘志を燃やした。【成田光季】