川崎FがFW小林悠(28)の5試合連続ゴールで東京に競り勝った。第2ステージ首位に立ち、年間勝ち点1位もキープした。

 9日の名古屋戦で相手の悪質なファウルを受け、右足首に全治3~4週間のけがを負った司令塔MF中村憲剛(35)が異例の早期回復で3試合ぶりに先発復帰。決勝ゴールは大黒柱の中村から生まれた。後半36分、中村が左サイドのDF車屋紳太郎(24)にパスを送り、車屋のクロスを小林がピタリと頭で合わせ決勝点となった。

 この日は、映画「シン・ゴジラ」(29日公開)とのコラボ企画で「多摩川クラジゴ」と銘打たれていた。中村は「ゴールが生まれたら、ゴジラポーズを促します」と宣言していた通り、小林のゴール後にゴジラポーズのパフォーマンス。小林もゴジラポーズをとったが、勘違い? からネコの手をまねた「ニャー」のポーズになってしまった。中村が即席で指導し、小林はすぐに「シン・ゴジラ」の手のひらを天に向ける“正解ポーズ”に訂正。会場を沸かせた。

 小林は、05年のFWジュニーニョと並ぶ5戦連発に「ボールの受け方を間近で見て教わった師匠だった。素直にうれしいです」と話した。シュートがバーにはじかれるなど、再三の決定機を逃したが「またチャンスが来る」と前向きに切り替え、この日3本目のシュートでしっかりネットを揺らした。ゴジラポーズについては「前に勉強しておけば良かったですね」と苦笑し、中村からは「ネコじゃないから」と突っ込まれる一幕も。

 後半20分には、相手FWムリキに裏を抜かれ、GKと1対1になる大ピンチがあったが、守護神のチョン・ソンリョンがビッグセーブで得点を許さなかった。これで14試合無敗となり、風間八宏監督(54)は「どんな試合にもあるピンチを防いでくれて、意味のある大きな試合だった」と選手たちをたたえた。