デビュー戦を勝利で飾った。仙台ルーキーDF小島雅也(18)はこの日が初先発、初出場。「あんまり緊張はなかった」とは言うものの、ピッチ上では「ビビッてた部分もあったので(今日は)30点もいかないくらい」と自身の評価は辛口。それでも、リーグ屈指の速さを誇る柏FW伊東純也らと競り合い、1万6000人超えのサポーターからは「マサヤ」コールも受けた。

 足をつり途中交代も、チームは4得点を奪い大勝。試合直前、先輩らからは「自分のプレーをしろ。できなくても俺たちが何とかするから」と頼もしい言葉をもらったと、気合十分でピッチに立った。相手は速さと強さを兼ね備えた伊東や、怪物FWクリスティアーノ。目の前の敵は大きくても、小学生時に日本一の経験もある空手で培った体幹や、走り幅跳びで鍛えた脚力と跳躍力で魅せた。

 失点に絡む場面もあり「反省が多い」と振り返ったが、何とか晴れ舞台を連勝で飾り「いい経験になりました」とはにかんだ。すっきり爽やかな髪形も大舞台に備えて準備したもの。今週の練習後にMF水野に散髪をお願いし、短くカット。1回目で「うまくいった」(水野)が、柏戦へ起用濃厚となると「デビュー戦だからもっと格好良く切り直そう」と元日本代表が2度もハサミを入れる本格ぶりで「愛情を感じますね」と、小島もうれしそうだった。

 「次にチャンスがあれば結果を残したい。厳しい言葉ももらったし、警戒しすぎてもダメということが分かった。90分走り切る体力もつけ、自分らしいプレーをもっとやれるようにならなきゃいけない」。ようやくJの扉を開けた。挑戦は始まったばかりだ。【成田光季】