J2清水が2-0で横浜FCに快勝した。後半2分、6戦ぶりに先発したFW金子翔太(21)が右足で先制点をマーク。同8分にはMF白崎凌兵(23)がヘディングで追加点を挙げた。5試合連続得点(前節終了時)のFW鄭大世(32)は無得点に終わったが、好調を維持して2人のゴールに貢献した。チームは6試合連続で複数得点を挙げ、J1昇格への期待度を高め続けている。

 絶好調のエース鄭は、序盤から執拗(しつよう)なマークを受けた。前半は無得点。小林伸二監督(55)は「後半は立ち上がりの10分に狙いを持って集中しよう」と話して選手を送り出した。

 後半2分、鄭がヘディングで折り返したボールに金子がいち早く反応した。163センチの小柄な体を投げだしながら、右足でネットを揺らした。「鄭さん以外でも点を取れるところを見せたい。3試合出場できなかった悔しさもぶつけたい」。くすぶっていた気持ちをピッチで体現し、待望の先制点を挙げた。

 金子の15試合ぶり得点でチームが勢いづくと、同8分、左サイドを抜けたDF松原后(19)の高速クロスをMF白崎がヘディングで合わせた。ニアで鄭がマークを引きつけ、フリーになった白崎の8試合ぶりゴール。アウェーに駆けつけたサポーター約3000人が歓喜し、白崎がガッツポーズで応えた。

 攻撃陣は7月24日のアウェー千葉戦から6試合で14得点を記録している。守備陣も2戦ぶりの無失点だ。攻守で盤石の試合運びを見せ、小林監督も「金子はいい仕事をしてくれた。後半の10分間のうちにうまく相手の隙を突くことができた」と満足げに振り返った。

 この1勝でチームは6位から5位に浮上し、J1自動昇格圏内2位の松本との勝ち点差も6に迫った。残り12試合。1年でのJ1復帰へ、収穫の多い90分間になった。【神谷亮磨】