J2降格圏内の年間16位に沈む名古屋は23日、GMを兼任する小倉隆史監督(43)が休養し、ボスコ・ジュロブスキー・アシスタントコーチ(54)が新監督に就任したと発表した。新監督は、昨季限りで退団していた元日本代表DF田中マルクス闘莉王(35)が復帰するとサプライズで明かした。

 ジュロブスキー新監督が会見で「闘莉王が今週の金曜日に戻ってくる。彼のファイティングスピリッツが必要だ」と突然発表した。今月1日にチームに加わった新監督は、08~13年にも名古屋にサポート役として在籍。その縁で「闘莉王とは連絡を取り合っていた。最近話したのは昨日。『私が監督になった時は助けてくれよ』と言っていたので、約束がかなったよ」。闘莉王は26日に日本に戻り、身体検査を受けた後で正式復帰するという。

 チームはリーグ17戦勝ちなしで、第2ステージは第9節を終えて最下位。年間順位でも15位甲府と勝ち点7差あり、J2降格が現実味を帯びている。一時はシーズン終了まで続投させる方針だった小倉前監督を事実上解任。同時に休養となるGM職を兼務する久米一正社長(61)は「残り5試合が勝負。最後のタイミングだった。熱いものが感じられなくなった」と監督交代の理由を説明した。

 ジュロブスキー新監督は「戦術、細かいところが今の名古屋には必要。選手に自信を取り戻したい。より団結力を見せないと」。その原動力として、闘莉王に期待を寄せる。久米社長も「新監督から一番にリクエストがあった。連絡を取って『力を貸して欲しい』と話すと『グランパスのためにやらせて欲しい』と言ってくれた」。生まれ変わる名古屋が、J1残留を目指して残り8試合に臨む。【小杉舞】