東京が五輪10番トリオ「NHK」の連携で、劇的同点弾を呼び込んだ。1点ビハインドで突入した後半ロスタイム。まずは途中出場の北京五輪日本代表MF梶山陽平(30)のパスから始まった。右サイドでDF室屋、FWムリキらとパス交換をして引き付けると、ロンドン五輪代表MF東慶悟(26)がボールを受け、左サイドへ鋭いパスを配球。ボールを受けたリオデジャネイロ五輪代表MF中島翔哉(22)が、鋭く振り抜いた右足シュートを決め、土壇場で追いついた。

 いずれも五輪世代で日の丸の10番を背負った。しかし中盤が本職の選手たちとあって、同時出場があったのは、昨季鳥栖戦(15年6月20日)の後半6分から同23分の17分間だけ。この日の名古屋戦も先発は東のみで、後半8分から中島が入り、同29分から梶山の投入でわずか16分間実現した。

 3人そろい踏みに、梶山は「僕たちはそんなに意識していない」というが、レアケースからゴールが生まれた。お膳立てした東は「(中島)翔哉にとっては今季初ゴール。いい形で取れてうれしいし、いい競争が生まれる」と後輩の活躍に喜んだ。敵地で勝ち点1をもたらした中島は「もっとスピードと精度を高めないといけない」と、満足することなく定位置獲得に課題を挙げた。