6年ぶりの出場となったJFLのホンダFC(静岡)が2-1でJ2松本を撃破し、2試合連続の「金星」を挙げた。1-1の同点で迎えた後半22分、MF原田開(26)が貴重な追加点をマークし、格上に競り勝った。1回戦のJ2岐阜に続くJリーグ勢2連破で、3回戦に進出した。

 ゴール裏に陣取った松本サポーターを、MF原田が黙らせた。同点の後半22分、右サイドを突破したDF細貝竜太(28)のシュート性クロスに逆サイドで反応し、左足でネットを揺らした。待望の勝ち越し点。右手人さし指を突き立て、感情を爆発させた原田は「体力的にきつかったけど、シュートでもクロスでも反応できるように、サボらず準備した結果がゴールになった」。この1点が決勝点となり、格上を沈めた。

 相手DF陣は4人中3人が、180センチを超えた。GKも196センチと「高さ」では勝機がないと想定。井幡博康監督(42)は「徹底的に地上戦で勝負」と、選手をピッチに送った。前半29分の同点弾もFW香川大樹(28)のグラウンダークロスをMF大町将梧(24)が押し込んだ形だった。原田は「ショートパスで相手を崩す。やるべきことを徹底できた」と、狙い通りの2点に胸を張った。

 県決勝のJ3藤枝戦を含めれば、これでJリーグ勢を3連破。しかも、同3試合では初の逆転勝ち。07年には、J1名古屋を下すなど8強に進出したホンダFC。原田は「この先も結果にこだわっていきたい」。強気の言葉が、当時の再来を予感させた。【前田和哉】