仙台は横浜に1点差で敗れ、今季3度目のリーグ戦3連敗を喫した。普段と立ち位置を変化させ、攻撃力を強めてきた相手の前にまたも惨敗。立ち上がりこそ勢いを持って向かっていったが、好機をつくりきれず、クロスもシュートもわずかに精度を欠き、前節広島戦に続く2戦連続無得点に終わった。

 背水の陣で臨んだつもりだった。リーグ連敗の後に迎えた3日の天皇杯・盛岡戦で大敗、どん底にたたき落とされてからちょうど1週間。渡辺晋監督(42)は「応援しても仕方ないと思われても当然かと。(横浜戦は)横断幕も、背中を押してくれる声援もないかもしれない」とまでイレブンに話して臨んだ一戦だった。しかし後半38分に被弾。逆転する術を繰り出そうにも、相手はゴールを固く閉ざし、立ちふさがった。

 つながった黒星は簡単にはほどけなかった。準備を徹底し前を向いて戦い、スコアレスで45分を折り返しても、後半には「相手の良さを発揮させてしまった。成長がまだまだ足りない」と指揮官。個の強さ、戦いの巧みさを見せつけられた試合だった。DF渡部博文(29)は「カウンターを防ぎきれなかったことが敗因」と言い、MF藤村慶太(23)は「相手の守備も良かったが決めきらないと勝てない」と振り返る。

 勝利が恋しい-。公式戦4連敗の事実に、イレブンは厳しい表情で残りのシーズンへ目を向ける。藤村は「目に見える結果を出したい。練習からやっていくしかない」と言葉を振り絞った。【成田光季】