JFL昇格を争う全国地域CL(旧・全国地域リーグ決勝大会)の決勝Rが25日、千葉・市原市のゼットエーオリプリスタジアムで開幕した。元日本代表監督で、日本協会副会長を務める岡田武史氏(60)がオーナーのFC今治(四国)は鈴鹿アンリミテッドFC(全国社会人選手権2位)と対戦。2-1で勝って白星発進した。

 今治が前半19分、先制に成功した。左サイドバック中野圭(28)のクロスをファーサイドで受けたMF桑島良汰(24)が、DFと競りながら右足でシュート。ゴールの左サイドネットに入った。岡田氏はチーフ・メソッド・オフィサー(CMO)としてベンチ入り。かつて元U-17(17歳以下)日本代表を率いた吉武博文監督(56)とともに戦況を見守ったが、先制しても腰掛けたベンチから動くことなく冷静。1点リードで前半を終えると、岡田氏はベンチで吉武監督と話し合い、修正点を確認した。

 後半が始まると、鈴鹿が追いつく。前J2水戸のMF小沢主将が蹴った右FKが、前J3富山のMF吉川の頭をとらえ、同点ゴールとなった。再び勝ち越し点を狙う今治は21分、またも桑島がゴールを奪った。MF水谷からの縦パスを収めると、相手DFを背負いながら反転して左足を振る。これがGKの重心の逆を突き、コロコロと転がってゴールに吸い込まれた。終盤に鈴鹿はロングボール攻撃を仕掛けるも、ゴールは割れず。桑島の2点目を守り切った今治が初戦を制し、勝ち点3を手に入れた。

 吉武監督は「(始動した)2月から、この残り3試合のためにやってきた。最初の15分で2回あったチャンスを決めていれば、もっと楽だった。これは日本の課題でもある」と指摘しながら「内容は良くなかったですけど、守備が頑張った。初戦の勝利は大きいですが、残り2試合へ、体と心の持久力を維持したい」と話した。岡田CMOも「大きな1勝だけど、まだ何も成し遂げていない。選手も、みんな分かっているようだ。何とか突破したいね」と白星発進にも気を引き締めた。

 大会は11~13日に1次Rが行われ、A~Cの各組1位と2位の最上位が決勝Rに進出。A組2位の今治は得失点差で決勝Rに滑り込み、白星発進した。26日はA組1位で、同組だった1次Rでは0-3で敗れているヴィアティン三重(全社3位)と再戦。27日はB組1位の三菱水島FC(全社1位)と戦う。決勝Rの上位2チームがJFLに昇格するが、三菱水島が成績要件を満たしても辞退する可能性があるため、その場合は今治は残る3チームで最下位にならなければ、目標のJFL昇格を果たすことになる。

 第1試合は三重が三菱水島に2-1で勝った。続く第2試合で勝った今治は首位タイで発進した。