35年ぶり出場の日体大(関東第3代表)が、昨年王者の関学大(関西第2代表)をPK戦の末に下し、4強に進出した。後半28分、日体大が主将のMF小泉将来(4年)のPKで先制すると、直後の後半33分には、関学大がエースFW出岡大輝(4年)のゴールで同点に。延長戦では、関学大が決定機をつくったが、日体大GK福井光輝(3年)が好セーブを連発し、勝負はPK戦にもつれこんだ。 日体大のGK福井は、相手に動きを読まれ、逆をつかれて3人連続で止められずにいた。ベンチで控えGK長谷川洸(3年)が「動きが速いぞ」と声をかけた。福井は「(鈴木政一)監督を見たら、笑顔で“落ち着いて”との身ぶりが見えた。動きが速いから読まれていたと思って、最後は動かないようにしていた」。4-3で迎えた関学大の5人目のキッカーのフェイントシュートを正面でキャッチすると、チームメートと抱き合って喜び合った。

 日体大は15年から磐田の黄金期を指揮した鈴木政一氏が監督に就任。基礎技術の向上、ポジショニングなど的確な状況判断を浸透させ、1年で関東大学2部で優勝し、同1部に昇格した。夏の総理大臣杯は15年ぶりに出場し3位に食い込んだ。この日も指揮官は関学大のクロス対策のため、リーグ戦で正GKを務めていた長谷川ではなく、守備範囲が広くて高さがある福井を起用した。鈴木監督の期待に応えた福井は「名将の下で学べるのは大きい。監督を信じれば大丈夫という気持ちになる。優勝を狙っていきたい」。15日の準決勝で、大体大(関西第3代表)と対戦する。