佐野日大(栃木)のFW長崎が、頭脳的な一撃で初戦突破に導いた。前半6分、ペナルティーエリア手前で粘って得たFK。チームは自身を含め3人のキッカーがいるが「自分がもらったFK。自分が蹴りたかった」と譲らない。海老沼監督も「普段はあんまりFKを蹴らないんですけど…」と驚く“エゴ”をのぞかせた。左に寄った壁の位置を見極め、GKからブラインド状態になるよう味方を配置。その右横を低い弾道で抜き、完璧にGKの逆を突いた。「狙い通りでした」と笑った。

 押し込まれる時間が続いた後半は、猛然と戻ってカウンターの芽をつむなど守備でも貢献した。大学の医学部受験を目指しており「本気でサッカーをやるのは、これ(選手権)が最後になるかもしれません」という背番号10。「優勝目指して頑張っていきたい」と最高の思い出をつくりにいく。