ついに期待の“新戦力”がベールを脱ぐ。仙台渡辺晋監督(43)は9日、日本代表候補GKで今季仙台に復帰したシュミット・ダニエル(25)が、今日10日の甲府との練習試合(45分×4)に出場すると話した。シュミットはキャンプイン直後に右肩の違和感で調整が遅れており、これまでの練習試合3試合に出場していなかった。目標の開幕スタメンに向け、今季初実戦でアピールを目指す。

 シュミットは「楽しみです。いろいろうまくいかないこともあるかもしれないけど気にせずに」と今季初実戦に向けて意気込みを語った。右肩の状態は「いい感じできている。問題なくプレーできる」と回復を強調した。

 キャンプ序盤に離脱して、アピールの場になるはずだったこれまで実戦3試合の出場をすべて見送った。「開幕に向けて最初の実戦。あと2試合しかないから、特徴を出せるようにいい準備をしたい」。表情は決意に満ちていた。

 今日の練習試合の1、2本目の出場選手は、完勝した4日の大宮戦の1、2本目からほとんど変えずに臨む。シュミットは1、2本目以降の出場が濃厚だ。渡辺監督は「ゲーム形式のプレーは仙台では見ていない。ダン(シュミット)自身のアピールをしてくれればいい。見せてくれ!」。自らも復帰交渉に乗り出した日本代表候補GKの“デビュー”に背中を押した。

 一緒にセットプレーの練習を行ったDF石川直樹(31)は「タッパ(高さ)もあるし、コーチングも、熊本へ行く前(14年4月)よりも自信がついたと後ろから感じる。日本代表候補に入った経験を還元してくれれば、このチームは上に行ける」と期待を寄せる。

 守備のみならず、フィードを使った攻撃参加も心がける。攻撃的な新布陣「3-4-3」を目指す新生仙台での“デビュー戦”に向けて、シュミットは「このチームでは、11人目のフィールドプレーヤーという意識を持った方がいい」と気合十分だ。攻守にわたる活躍で、目標の開幕スタメンへ1歩前進してみせる。【秋吉裕介】