ベガルタのニューリーダーだ! 仙台MF藤村慶太(23)は、若手の中心選手として今季から副主将に就任。若手からの人望が厚いだけではなく、練習から年上の選手たちにも指示を飛ばしている。渡辺晋監督(43)は藤村の精神面の成長を実感しており、期待は大きい。クラブは宮崎キャンプ2日目の15日、攻撃の戦術確認などの練習を行った。

 渡辺監督は藤村の成長ぶりに驚いた。10日の甲府との練習試合に“事件”は起こった。藤村は1試合目から控え選手としてアップをこなした。他の選手が後半から出場していく中で、藤村の出場は後半44分からだった。この起用法に「精神的にキレるかなと思った」。だが藤村は意欲的にこなし、2試合目はキャプテンマークを巻いてフル出場。大人の対応を見せた新副主将に「今までだったらキレてた。そこが成長したな」と目を細めた。

 藤村は「(2試合目の)前半から声を出せた。アグレッシブにできた」と試合を振り返る。藤村を副主将に推薦した主将のMF富田晋伍(30)は「若手の中で引っ張って欲しい。それを見た若手が自分もやらないと思って欲しい」と期待を込める。

 主将の思惑通り、若手はすでに刺激を受けている。MF佐々木匠(たくみ、18)は昨季から藤村の背中を見てきた。「若手のお手本です。昨年からベテラン勢にも練習から『行こうよ~』と声を出して動きを要求していた」。物おじしない言動を尊敬する。

 藤村は「試合になったら年齢は関係ない。ボランチとして周りを使うことをしないと」と語る。特に注意するのは、守備時の前線の動きだ。「前の選手にどっちに行って欲しいか言う。自分が取りやすいように前を動かす」とカウンターを防ぐために、要求は欠かさない。

 藤村は昨季、15年から5倍増の25試合に出場した。本職のボランチから、サイドバック、FWもこなした。だが、先発は11試合だった。今季はスタメン奪取が目標。「他人に厳しくするなら自分にも厳しく。ユーティリティーが自分の良さ。ケガ人が出ると思うので穴を埋められるように」。肩書に恥じない活躍を狙う。【秋吉裕介】