熊本で2次合宿中の北海道コンサドーレ札幌は23日、熊本・大津町で、紅白戦やセットプレーの確認などを、一部非公開で行った。全体練習後には、左CBで2季ぶりの開幕スタメンが濃厚なDF福森晃斗(24)らが、居残りでフリーキック(FK)の練習を敢行。明日25日に迎える5季ぶりのJ1開幕戦へ備えた。チームは今日24日に練習を行った後、決戦の地、仙台へと移動する。

 武器の左足で、1球1球、慎重に蹴り込んだ。全体練習後にFW都倉、MFキム・ミンテ、DF田中と競うように、居残りでFKの練習に打ち込んだ福森は「昨日は慣らしで、今日はしっかりとコースを狙ってやりました。何本かいいボールは行っていたし、ちょっとはつかめたかなと思います」と、手応えを口にした。

 昨季はチーム最多10アシストを決め、キックの精度は折り紙付き。3得点すべてを、FKで決めた。J1へ舞台を移す今季も、攻撃の起点として、得点源として、大きな期待が懸かっており、開幕スタメンは濃厚だ。

 対戦を熱望するのは、桐光学園高(神奈川)の先輩で、今季、横浜F・マリノスからジュビロ磐田へ移籍した元日本代表MF中村俊輔(38)。「90分の対戦を通して、どうやってFKを蹴っているのかとか、いろいろ勉強させてもらいたい」。自身にとっては川崎フロンターレ時代以来、3季ぶりのJ1で「早く始まって欲しい。楽しみ」と、本番を待ちわびる。

 沖縄1次合宿中に右太もも裏痛で途中離脱し、今月12日の練習試合で実戦復帰した。もともと太りやすく、故障やプレーへの影響を心配。年明けに行った検査から卵が体に合わないことを知り、離脱中に体質改善に本格着手した。「卵は控えています。オムライス、大好きなのに…」。“好物封印”に、ちょっぴり寂しそうな表情も、それも全て、シーズン通して万全の状態を維持するためだ。年明けに84キロあった体重は、少しずつ目標の80キロへ近づいている。

 昨季は開幕スタメンを逃し、悔しい思いも味わった。「開幕戦は1年の大事な試合」。明日25日に迫った、敵地でのベガルタ仙台戦(ユアスタ)。その左足で、勝利を呼び込む。【中島宙恵】