昨季J2を制し、5季ぶりのJ1に挑む北海道コンサドーレ札幌。四方田修平監督(43)にとっては初の挑戦となる。J2発足後、札幌の過去4度のJ1挑戦で残留できたのは01年の1度だけ。全体的にも昇格チームの苦戦は過去のデータから明らかだ。今日25日、トップリーグ「定着元年」を目指す札幌の戦いが始まる。

 J1での豊富な経験と、身長184センチの恵まれたフィジカルを武器に、救世主となれるか。守備にベースを置いた戦いを目指す中、熱い期待を受けるのが、今季大宮から期限付き移籍で加入したMF横山知伸(31)だ。昨季終盤、左ひざの靱帯(じんたい)を部分断裂したDF増川に代わって、キャンプ中は主にCBを任された。落ち着いた守備と、ハードワークをいとわない献身で、前半戦のキーマンになりそうだ。

 1浪を経て、一般入試で早大に入学した知性派だ。練習試合の翌日も、熱心に復習を欠かさない。新天地の戦術をものにしようと、疑問や課題を見つけては、積極的にコーチ陣やチームメートに問いかける。川崎F、C大阪、大宮と渡り歩き、札幌が4チーム目。「フリーの時間が多くて、リフレッシュできる。縛られない感じが新鮮」と、長期間のキャンプで充実の日々を過ごした。

 昨季J1に1年で復帰した大宮では、開幕戦の東京戦にフル出場して1-0での勝利に貢献。チームは昇格シーズンに、残留争いどころか、年間5位と大飛躍した。「昇格チームにとって、開幕戦はどうしても硬い試合になると思うので、手堅く守りたい」。成功体験を強みに、冷静沈着に最後列を死守する。

 ◆横山知伸(よこやま・とものぶ)1985年(昭60)3月18日、東京都練馬区生まれ。帝京高、早大を経て08年に川崎F入り。同年4月12日大分戦でJデビューし、11年11月19日広島戦で初得点。12年にC大阪、14年に大宮移籍。Jリーグ通算177試合8得点(J1通算は136試合5得点)。184センチ、75キロ。利き足は右。