ブンデスリーガの名門ブレーメンと、J2湘南ベルマーレ、そして小学生年代を育成する日独フットボールアカデミーの3社が提携し、共同育成プロジェクトを立ち上げることが4日、神奈川・BMWスタジアムで行われた会見で発表された。

 世界のひのき舞台で活躍する選手の発掘、育成が目的で、7月に開校予定の日独フットボールアカデミー神奈川校のセレクションを、湘南ベルマーレフットボールアカデミーのスタッフがサポートする。在校中にはブレーメンへの短期留学もあり、同校でトレーニングした選手が、湘南の下部組織に昇格する可能性もある。また湘南の下部組織・ユースチームの選手も、今回の提携で、ブレーメンに最低で年1回の短期留学の機会がある。

 日独フットボールアカデミー神奈川校の校長には、93年から94年までJ1ジェフユナイテッド市原(現J2ジェフユナイテッド市原・千葉)、96年に当時JFLのブランメル仙台(現J1ベガルタ仙台)でプレーした、FWオッツエことフランク・オルデネビッツ氏(51)が就任する。

 湘南の水谷尚人社長(50)は今回の提携にあたり、1月末から2月にかけて行ったスペイン・マラガ合宿中に、坂本紘司取締役スポーツダイレクター(38)とともにブレーメンを視察した。その際に、オッツェ氏とブレーメンの選手、監督として活躍し、現在はUEFAテクニカル・オブザーバーを務めるトーマス・シャーフ氏らと対面した。「いろいろ学べるものがあると思い、今回のプロジェクトへの参画を決めました。学んでばかりではいけないので、ベルマーレの選手がブレーメンに移籍するようなことがあれば、1つの貢献にもなると思う。その時は、しっかり移籍金をいただきながら、ウィンウィンの関係になる世界を作っていきたい」と話した。

 オッツェ氏は、湘南からの選手獲得について「もちろん、ビジョンにはある。ただ、そこになくてはならないのは選手の質。湘南から若くて才能豊かな、ブンデスリーガで通用すると思われる選手が輩出されれば、ブレーメンとしても受け入れたい」と答えた。

 日独フットボールアカデミーは、小学生年代の育成を行うアカデミーのため、中学生以上の育成につなげていくために、ユースを持つ湘南との提携はメリットがある。同アカデミーは千葉校も7月1日に開校する予定だが、Jリーグ各クラブのホームタウンの観点から、湘南との提携は神奈川校のみで、千葉校に関してはブレーメンの育成提携を基本として、別な形で中学生以上の年代の育成につなげていくという。千葉校の1次セレクションは、4月8日に千葉県流山市の江戸川大グランドでの開催が決まっている。【村上幸将】