これからも被災地にエールを届ける。ベガルタ仙台は東日本大震災から丸6年を迎えた11日、ホームでヴィッセル神戸と対戦し0-2で敗戦した。前半は互角に渡り合ったが、後半開始早々に立て続けに失点してしまった。「復興のシンボル」として戦ってきた6年間。特別な日を勝利で飾れなかったが、渡辺晋監督(43)は「負けない仙台」を取り戻すと、強い覚悟を示した。

 2点ビハインドのまま迎えた終盤。勝利を信じて仙台サポーターは、声をからして応援を続けた。敗戦を告げるホイッスルが鳴り響くと一瞬、ピッチは静寂に包まれた。渡辺監督は「非常に悔しい。申し訳ない」と肩を落とした。東日本大震災翌年の12年以降、3月11日に最も近い本拠地ユアスタでの試合では4勝1分けと無敗を誇っていたが、この大きな節目で途切れてしまった。

 特別な試合。イレブンには明らかに焦りがあった。前半、決定機を決めきれない。渡辺監督は「硬さが目立った。のびのびとプレーさせてあげるべきだった」と悔やんだ。主将のMF富田晋伍(30)は「(過去2試合)ゼロで進めていく結果、勝ち点を取れていた。それを続けるのはとても大事なこと」。バイタルエリアの空いたスペースを突かれた2失点を、悔やんだ。