“福島”を背負って戦っている。JFAアカデミー福島の出身で、6年前の東日本大震災当日は、中学校の卒業式だった。「寮の外に出たら目の前は地割れで、原発からは煙が上がっていた。部屋はめちゃくちゃだった」。今年1月には日本プロサッカー選手会、日本サッカー協会などと、Jリーガーとして初めて東京電力福島第1原発(大熊町)を視察するなど、第2の故郷への思いは強い。「このメモリアルゴールを福島に届けたい」と話した。

 試合後は、テレビカメラに囲まれながら試合球に自らのサインを入れた。「現役生活を長くして、3万点も決めたい」。J1では、まだ2点目。金子のストーリーは始まったばかりだ。【保坂恭子】

 ◆金子翔太(かねこ・しょうた)1995年(平7)5月2日、栃木県生まれ。今市第3カルナヴァル-JFAアカデミー福島を経て、14年に清水入り。15年8月にJ2栃木へ期限付き移籍し、16年に復帰。163センチ、58キロ。利き足は右。血液型O。