北海道コンサドーレ札幌は今日30日、敵地ヤマハスタジアムで、6位のジュビロ磐田と対戦する。前節浦和戦(埼玉)でフリーキック(FK)弾を決めたDF福森晃斗(24)は、29日に札幌・宮の沢でFKの練習を敢行。プロ7年目で自身初となる2戦連発へ、感触を確かめた。チームは敵地未勝利。リーグ最少失点の鉄壁を、その左足で突き破り、アウェー連敗を食い止める。

 試合を翌日に控えた29日の全体練習。守備のセットプレーを確認するため、札幌随一のレフティーが“仮想・中村俊”としてFKを蹴った。4本中2本の直接FKを決めたDF福森は「精度は上がっているけど、まだピークじゃない」。前節浦和戦で5枚の壁を抜く、鮮やかなFK弾を決めたばかり。貪欲な言葉が、頼もしかった。

 桐光学園高(神奈川)の大先輩で、同じ左利きの磐田MF中村俊は雲の上の存在だ。「尊敬と憧れしかない」。川崎F時代の12年に対戦した際、味方からパスを受けた福森へプレスに走った中村俊が転倒。左足首を捻挫して長期離脱したことが、ずっと頭の隅に引っかかっていた。J1での再戦を楽しみにしていたが、中村俊の負傷で今回はお預けに。「チームは、まだアウェーで勝てていない状態。守備のことを頭に入れながら、攻撃の起点にもなれるよう頑張りたい」と、目の前の試合に集中する。

 「テレビ番組で、俊輔さんがFKの極意について話していたんです。相手との駆け引きなど心理戦について、なるほど、面白そうと思った」。偉大な先輩の教えを胸に、敵地4連敗中のチームを救う。【中島宙恵】