大宮アルディージャが、FW大前元紀(27)の移籍初ゴールなどでベガルタ仙台に逆転勝ちし、最下位を脱出した。

 大前は、大宮が今季初勝利した4月30日の浦和戦は出番はなく、5月6日の前節札幌戦はベンチ外。この日もベンチスタートだった。0-1で折り返した後半頭に右サイドで投入されると、最前線のFW瀬川、江坂へのパスで好機をつくった。後半15分に右CKからDF山越の同点弾を演出し、後半44分にはMF岩上の浮き球パスに絶妙なタイミングで抜け出すと、相手DFをかわし、体勢を崩しながらも右足で流し込んだ。

 チームは今季リーグ戦初のマルチ得点を挙げ、今季初の逆転勝利。降格圏脱出はしていないが、16位に浮上した。大前は「トラップも完璧だった。体勢が崩れたけど入ってくれた良かった。チームも勝ててなくて個人としても結果が出せていなかった。ここで点を取って勝てたのは僕もチームも次につながる」と話した。

 チームは開幕から10試合で得点がわずか3と深刻な得点力不足に陥っていた。だが、この日は2得点を挙げ、渋谷洋樹監督(50)は「セットプレーで得点できたことが大きい。守備も後半崩れることなくプレーしてくれた」と話し「次に生かさないと意味がない。浮かれることなくしっかり準備をしていきたい」と次節のセレッソ大阪戦に切り替えた。