Jリーグが2013年から導入する「クラブライセンス制度」で、各クラブによるライセンス申請が30日に期限を迎えた。新制度下では、財務、施設など5分野56項目の審査を受け、3期連続の「赤字」や、債務超過がある場合はライセンスが交付されず、リーグにも参加できなくなる。

 経営再建へ向け、募金活動を展開するJ2大分も、リーグから融資を受けた3億円の返済期限が迫る中、申請を終えた。財務面などが審査対象となるのは2014年度決算からだが、シーズン終了後に3~6位のチームがJ1昇格をかけて戦うプレーオフへの参加は、借金返済が条件。チームは現在、プレーオフの当落線上にいるが、現在の借金を10月中旬までに返さなければ、J1昇格に挑戦する権利さえ失う危機にある。

 大分は5月から「J1昇格支援金」として、一般の個人やグループから1億円を目標に寄付金を募り始めた。支援組織「大分トリニータを支える県民会議」も協力に乗り出した。Jリーグ側は、中西大介競技・事業統括本部長が「ある意味で(大分)トリニータというクラブチームが大分に必要かどうかが問われている」と話す。

 募金活動が成功裏に終わっても、安心はできない。ことし1月までの前期末決算で、債務超過額は9億1800万円にのぼる。クラブの経営戦略の甘さも否定できない一方で、大分以外のクラブにとっても新制度は、低くはないハードルになりそうだ。大分の青野浩志社長は「3億円を返さない限り、クラブライセンスに関して言える立場ではない」と話すにとどめた。