京都MF佐藤勇人(26)が「ゼロックス効果」で開幕ゴールを狙う。1日のゼロックス杯で双子の弟の広島FW佐藤寿人(26)が鹿島から同点弾を決め、PK戦での勝利につなげた。寿人が得点を決めた次の節に勇人も決めるケースが多く、3日の練習後も「刺激になる」と気合十分。2月は腰痛の影響で別メニューの時期もあったが、8日名古屋戦(豊田ス)は新天地での初ゴールで白星発進に導く。

 気持ちの高ぶる新天地での開幕戦を前に、佐藤にまた発奮材料が増えた。ゼロックス杯で双子の弟寿人が体勢を崩しながら頭で決めた同点弾。「あいつらしいゴールだった。絶対1年でJ1に復帰するんだ、という気持ちが伝わってきた。寿人の活躍は刺激になる」と負けじと開幕ゴールへの意欲を見せた。

 ともに市原(現千葉)ユース出身で、双子の兄弟としてお互いを高め合ってきた。寿人が決めると、勇人も決める。昨季まで所属した千葉ではここ2年間で7得点。そのうち4点を、寿人が広島で決めた次の試合にマークしている。今回も「ゼロックス効果」に期待できる。

 チームとして受けた刺激もある。京都は昨年12月の入れ替え戦で広島を破り、J1に復帰した。その広島が昨季J1優勝の鹿島を破ってタイトルを獲得。「去年の王者に勝ったわけだから、京都というチームが何かを感じなければ。ボクたちも意地を見せないといけない」と佐藤。加藤監督も「広島の方が挑戦者の立場だった。相手よりファイトしたチームが勝つ」と京都に置き換えた。

 佐藤は2月3~16日の鹿児島キャンプでは、持病の腰痛が出て別メニューの時期もあった。だが、この日は約2時間の練習をこなし、スタンバイOK。加藤監督は「いつどこに配置しても信頼できる選手」と絶賛した。佐藤は「練習だからといって、シュートを外してもOKじゃない。詰めの甘さは試合に出る。そこは自分が言っていく」とリーダーの自覚も十分。寿人に続くゴールで、開幕白星を飾る。【北村泰彦】