<J2:水戸0-2C大阪>◇第1節◇9日◇笠松

 J2C大阪のU-23(23歳以下)日本代表MF香川真司(18)が、チームを6年ぶりの開幕白星へと導く2発を決めた。前半42分に先制点を挙げると、後半40分には技ありのダメ押し弾。2-0で水戸に完勝、C大阪は02年以来の開幕戦勝利となった。北京五輪出場を目標に掲げる平成生まれの香川が、2年ぶりのJ1復帰へ大車輪の活躍を見せた。J1では3年ぶりに復帰した東京Vが1-1で川崎Fと引き分けた。

 18歳とは思えない冷静さだった。前半42分。香川は左サイドの角度のない場所でボールをもらうと、GKの位置を確認し、針の糸を通すようなゴールを決めた。後半40分にも左から切り返してDFを交わし、技ありのダメ押し弾。得点が欲しい時間帯に確実にゴールを決め、チームを6年ぶりの開幕白星へと導いた。

 「苦しい時間に取れたのがうれしかった。昨年はここで悔しい思いをしたし、その地でいいスタートが切れた。勢いに乗れますね」。

 J1昇格争いも佳境に入っていた昨年11月25日。敵地の水戸戦を0-1で落とし昇格の夢が消えた。あの時に流した涙は忘れていない。今回は遠征に出発する際には故障でベンチ外になったFW森島康に「点を取ってこいよ」と言われ、香川は「決めなかったらサッカー辞めるよ」と伝えた。

 今季はJ1昇格とともに飛び級での北京五輪出場も目指す大事な年になる。プロ入り3年目。まだ10代だがレビークルピ監督からは「必ずA代表で活躍できる能力がある」と太鼓判を押されている。この日も指揮官は「彼ほど安定した選手はいない。成熟した選手」と絶賛した。

 敵地笠松は昨年5月23日にJ初ゴールを決めた場所でもあった。C大阪期待の星は「ここは何かと印象がありますね」とつぶやいた。08年の第一歩は香川にとっての「原点」から始まった。【益子浩一】