<J1:名古屋2-0浦和>◇第2節◇15日◇埼玉

 V候補筆頭の浦和がゴール欠乏症に陥り、6年ぶりの開幕連敗を喫した。前半14分に先制されたオジェック監督は後半開始からFW高原、同16分からMF鈴木を外す荒療治に出たが、2試合連続の無得点。ホーム開幕戦も0-2で完敗し、名古屋ストイコビッチ新監督に初勝利を献上した。試合後、藤口社長は強化部と緊急会議を行い、指揮官と直接会談する意向を示した。

 開幕連敗は浦和に大きな衝撃を与えた。試合後、藤口社長は中村GMら強化部と緊急会議を開いた。同社長は「バーベキューとかイベントでもいい。クラブでやれることがある」と打開策を指示。自らオジェック監督と会談する意向も口にした。現時点の監督解任は否定した中村GMだが「黙って『さよなら』なんてできない。監督と話をしたい。次は代表が抜けて選手も変わる。そこでどうかというところ」と説明。20日のナビスコ杯神戸戦次第で監督の責任問題に発展する可能性が出てきた。

 ゴールは遠かった。1点を追う後半開始、オジェック監督は高原を外して永井を投入。永井、山田の連係で敵の両サイド攻撃を抑え、反撃に転じた。同16分、鈴木も外して梅崎に託した。代表2人を代える荒療治も、同23分にGK都築のパスミスから追加点を献上して、勢いが止まった。これで昨年11月11日の川崎F戦以来5戦連続の無得点、リーグワースト2位の不名誉記録となった。

 同監督は会見で「ひたすらプレスをかけ、前線に飛び出すしかない」と具体的な改善策を示さなかった。外国人記者には「ポンテの離脱が痛い」と本音を漏らした。指揮官から守備連係の指示がなく、代表級の並ぶ選手も困惑を続ける。敵陣でボールを奪えず、後手に回って組織的に動けない。山田主将は「監督を含め、選手でチームの方向性を話した方がいい」と意思統一の欠如を訴えるほど、チームの調整不足は深刻化している。

 約5万5000人で埋め尽くされた埼玉スタジアムは、浦和サポーターの厳しい怒号が渦巻いた。「オジェック!

 いつになったら勝ち試合を見せてくれるんだ!」。容赦ないブーイングが響いた。ホーム戦は昨年10月7日大分戦以来、5戦連続で白星がない。埼玉スタジアムに限れば昨年9月30日新潟戦以来、5カ月半も勝てていない。2年目を迎えたオジェック采配に批判が集中するのは当然だった。V候補が序盤で正念場を迎えた。【藤中栄二】