期待の新外国人FWが、いよいよベールを脱ぐ。コンサドーレ札幌は23日、ナビスコ杯予選リーグ第2節のホーム川崎F戦に臨む。今季加入したFWノナト(28)が、スタメン出場することが確実となった。キャンプ中に左足首をねんざし、2月27日のJ2福岡との練習試合を最後に別メニュー調整が続いていたが、体調は万全になった。デビュー戦となる川崎F戦では、今季公式戦で勝ち星がないチームに自らのゴールで初勝利を呼び込むと誓った。

 札幌・宮の沢で行われた試合前日練習。ベンチ入りメンバーによるセットプレーで、主力組にノナトの姿があった。守備隊形の確認では、鬼気迫る表情でクリアを繰り返した。いよいよ23日、初めてJリーグのピッチを踏む。「チームに貢献したいという強い気持ちでいる。最大限の力を出し切りたい」と意欲をはっきりと口にした。

 ここまで期待に応えられずにいた。グアム、熊本と続いた合宿中、練習試合で無得点が続いた。2月27日のJ2福岡戦にPKで得点し、9試合目でようやく“初ゴール”を挙げた。しかしその試合で左足首をねんざ。「記憶にない」と言う、自身初の開幕戦欠場を余儀なくされた。「早く戻りたいという気持ちだった」。その思いを胸にしまい込み、黙々と走り込みを続けた。ようやく訪れた復帰の時。「痛みもないし100%」と、体調面に不安はない。

 あとは、いかに日本のサッカーになじみ、いかに札幌のサッカーにフィットするか。三浦俊也監督(44)は「まだしっかり慣れたという感じではない」と指摘。ノナト自身、ブラジル時代と比較し「日本のサッカーはテンポが速い」と、その違いを感じている。激しく試合が流れる中、厳しいチェックも当然受ける。「初物」連続をはね返せるかが、活躍できるかどうかの分岐点になる。

 チームは今季3試合を戦い、いまだ勝ち星のない状況。FWとして何を求められるかは「もちろんゴールを挙げることだ」と、十分に自覚している。15日の横浜戦前に家族が来日し、精神面の不安要素もなくなった。もう「ダメ外国人」とは言わせない。鮮やかなゴールで、デビュー戦を飾ってみせる。【砂田秀人】