浦和DF闘莉王(26)は2戦連続でボランチ先発が濃厚。負傷交代した昨季の悪夢を残す日本平スタジアムに対し、あえて好印象を強調してチームをけん引する。

 「ボランチ闘莉王」が上昇ムードを演出する。3月30日の新潟戦で闘莉王のボランチ先発を決めたエンゲルス監督は、試合後に1試合限定を強調。1日の最終調整後も最初は「清水戦の布陣は言いたくない」と隠したものの、最終的には「良い時には何も変えたくないもの」と新潟戦と同じ布陣になることを示唆した。2戦連続で闘莉王のボランチ起用が濃厚だ。

 同監督の意図を知るように、闘莉王は1日のミニゲームでも中盤に陣取り、入念に連係を確認。最後はシュート練習で仕上げた。「どこのポジションでもやるだけ。ゴールを奪うためにはミドルも必要」。中距離シュートで2戦連発を狙う強気の姿勢を貫いた。

 アウェー清水戦には悪夢と因縁が渦巻く。昨年6月、日本平での同戦で闘莉王は左ひざ内側側副じん帯を損傷して途中交代。念願だったアジア杯出場を棒に振った。また横断幕をめぐってサポーター同士の衝突も起こった。チームとしてもアウェー通算5勝1分け11敗と勝率の悪いカードだ。それでもこの日は「日本平が好き。やりやすい」。相性の悪さを無視するような、言葉を口にした。

 特にサッカー専用スタジアムとなる雰囲気に好感触を抱く。「スタンドが近いし、一体感がある。それでピッチも狭く感じるからね」。ボランチの新境地をみせる浦和のキーマンが苦手意識を見せない。悪い思い出など忘れるくらいに、集中力を高めている。