16日に東京(味スタ)と対戦する磐田は、右CBでDF鈴木秀人(33)の先発が確実。復帰するDF田中誠(32)とともに、DFラインからもり立てる。

 沈んだ空気を変えるべく、闘う男がピッチに立つ。この日の紅白戦。DF茶野のケガもあり、DFラインがガラリと変わった。真ん中に田中が復帰し、本来は右の加賀が左へ。そして右には、声で味方を鼓舞できる数少ない男、鈴木が位置した。内山監督は「東京戦はフレッシュにする。それは年齢じゃない。闘える人を入れる」と、3月20日のナビスコ杯東京V戦以来の鈴木の先発を示唆した。

 1-2で敗れた札幌戦。ベンチにいた鈴木には、結果以上に闘志のなさが嘆かわしかった。「この間の試合はひどかった。やってやろうというのは(川口)能活くらい。アグレッシブさがなくて歯がゆかった。覇気のなさに、僕らでも腹が立ったんだから、一般の人は余計そうだと思う」。その空気を、存在感で変えた。「オレも言われないように頑張らないと」と加賀。緊張感が広がっていた。

 連戦続きの今週。風邪で前日13日は1日休んだ。だが「難しい状況ですけど、そういうのにしっかり準備してこそ、ベテラン」と言った。黄金時代、ブラジル代表主将のMFドゥンガらにしかられながら、発奮して成長してきた自負がある。「(東京戦は)中盤の選手は、たぶん大変だと思う」。ニヤリと笑った鈴木の「喝」が、チームをよみがえらせる。【今村健人】