コンサドーレ札幌が“最強の初布陣”で首位取りを狙う。今日16日、ナビスコ杯予選リーグ第3節のアウェー千葉戦に臨む。12日の磐田戦先発メンバーからは今季最多となる7人が入れ替わる。MF西谷正也(29)とDF池内友彦(30)は今季初先発になるが、ともに昨季J2優勝に貢献したメンバーだけに不安はない。三浦俊也監督(44)が「遜色(そんしょく)ないレベル」と自信をみせる戦いに勝ち、Cグループの単独トップに立つ。

 三浦監督の言葉に揺らぎはなかった。リーグ戦でホーム初勝利を挙げた12日の磐田戦から、7人が入れ替わる。西谷、池内と今季初先発の選手もいる。それでもはっきりと口にした。「自分の中では、この前のメンバーと遜色(そんしょく)ないレベルの交代と考えている。同じ力を出してくれると思っている」。不安など一切ない。

 カップ戦だからと軽視したわけではない。19日にはリーグ戦のアウェー神戸戦が控えるが「神戸戦のことを考えろといっても無理」と言うよう、指揮官の頭には目の前の勝利しかない。15日現在、千葉と勝ち点4で並んでいる。勝てば単独トップに立つ。「いい流れは止めたくない」。磐田戦勝利の勢いを続けるには何がベストか。選手の疲労などを考慮した結果、三浦監督が導き出したのが、この布陣だった。

 初先発の2人にも勝算はある。西谷は今季リーグ戦途中出場1試合のみも、昨季は38試合に出場し、チーム2位の10得点を挙げた。熊本合宿中に右太もも痛を発症し出遅れたが「調子さえ戻れば西谷」と三浦監督の頭には常に中盤を任せる構想は入っていた。体調も万全となった今、スタメンは必然といえる。「結果を出したい気持ちでやってきた。楽しみです」。昨年9月30日東京V戦以来の先発に、西谷はそう意気込んだ。

 池内も昨季は32試合に出場し、堅守の一角を担った。今季は途中出場2試合のみと控えに回り、試合翌日は高校生や大学生相手の練習試合を繰り返してきた。それでも意識を下げることなく、前向きに取り組みチャンスを得た。この日、札幌・宮の沢で行った最終調整では、右サイドハーフの岡本と動き方などじっくり確認した。「ここで勝っておけば精神的に優位になれるから」と今後に控えるリーグ戦も見込み、勝利を誓った。

 FW中山、DF西嶋と主力にケガが相次いでいるように、チーム状況は決して良くはない。しかし苦境を埋める選手が結果を出せば、J1残留を狙う今季の戦いの中で、大きなプラスになっていく。【砂田秀人】