J1清水の「鉄人」が、ピッチに戻ってきた。右ふくらはぎ肉離れで離脱していたMF伊東輝悦(33)が28日、浜松大との練習試合2本目にフル出場。得点も決めて復調ぶりをアピールし、31日のナビスコ杯東京戦(松本)での先発出場が見えてきた。

 清水の中盤に、頼れる男が帰ってきた。この日の浜松大との練習試合2本目でボランチに入った伊東は、周囲との連係を確認しながら45分間プレー。22分にはミドルシュートも決め、攻守で存在感を示した。「(シュートは)ミートはしたけど相手に当たって入ったからね。たまたま。(痛めていた右ふくらはぎは)大丈夫と思うよ」と自ら太鼓判を押した。

 ナビスコ杯予選突破がかかる大一番に、しっかり間に合わせてきた。19日の診断は「全治2週間」。そこを10日目で対外試合出場にまでもってきた。「もともと、そんなにひどくなかったから」と言いつつ、ベテランらしく焦らずにマッサージや治療に手を抜かず取り組んできた成果だ。

 「今日は感触を確かめながら、そこまで思い切りやっていないから」。少し早めの復帰戦で得点しながらもサラリと言ってのける伊東に、長谷川監督も「少し気にしながらというか、抑え気味でやったりしていた。でも大丈夫だったと思う。様子を見ながら考えたい」と起用を視野に入れた。

 主力が大量離脱している状況は変わらない。それでも「(どのメンバーとも)練習でもやっているし、しっかりやれれば大丈夫でしょ」と話す伊東の復帰が、チームに落ち着きを戻す。【浜本卓也】