<天皇杯:鳥栖2-0大分>◇4回戦◇5日◇九石ド

 ナビスコ杯王者の大分があっけなく散った。同杯決勝から先発メンバー10人を入れ替える主力温存策が裏目に出て、J2鳥栖に0-2で完敗。リーグ戦を含めた3冠の可能性は消えた。

 初優勝の勢いも、公式戦15試合連続負けなし中だったホーム九石ドームの不敗神話も断ち切られた。メンバーを大幅入れ替えしたとはいえ、ナビスコ杯王者が屈辱の初戦敗退だ。「大分がどんなに強くなったかを見にきてくれたサポーターに申し訳ない」。溝畑社長は深々と頭をさげた。

 決勝戦から中3日。初めての国立、決勝を戦い抜いた主力組には精神的、肉体的なダメージが主力組には残っていた。「ホベルトは(9日の次戦)千葉戦も出れるかどうか。それでもこのメンバーで5回戦に行くつもりだった」とシャムスカ監督。選手への負担を考慮しスタメンを10人も入れ替えたが、DF小林宏が試合中に右太ももを肉離れするなど、戦前の予想通り厳しい試合となった。

 前半27分にセットプレーから得点を許すと、後半7分にも失点。MF家長が移籍後、初めて90分フル出場する明るい材料もあったが「決定的なチャンスをつくったのにモノにできなかった」とシャムスカ監督。ナビスコ杯の歓喜が吹き飛ぶような敗戦だが、首位に勝ち点2差の4位につけるリーグ戦との2冠への挑戦権は残る。「これからはリーグ1本に集中したい」。指揮官は切り替えを図った。【村田義治】