神戸の日本代表FW大久保嘉人(26)のボルフスブルク(ブンデスリーガ=ドイツ1部)移籍が、秒読み段階に入った。神戸の和田強化部長は20日、完全移籍の正式オファーがあったことを認めた上で、「(移籍金などの)条件を(書面に)入れて最初の回答を出した」とクラブ間交渉を進めている現状を説明。さらに「当然残留してほしいが、お互い納得のいく形で」と事実上、移籍容認の姿勢を示した。

 カタールから帰国した大久保はこの日、伊丹空港で「そういう話があるのはありがたいこと。これから代理人と話をしていく」と語った。これまでもドイツでプレーする小野、稲本らに情報を聞いた大久保は「デカイから(速さのある大久保は)やれるよと言われた」と移籍へ前向きな姿勢を示した。

 移籍が実現すれば、来年から海外組として代表に加わることになる。19日のカタール戦でも田中達の先制点の起点を作った。後半18分にも玉田―田中達―大久保とつないでゴール前まで迫り、相手守備陣を混乱させた。無得点に終わったが、素早い動き出しから勝利に貢献。海外でも通用することを証明した。

 「ボルフスブルク大久保」は早ければ今月中にも誕生し、デビュー戦は来年1月31日のケルン戦が濃厚。和田強化部長は「来季の編成などを考えれば、結論は早く出したい」という。マジョルカでは不完全燃焼に終わったが、2度目の欧州移籍で大輪を咲かせる。