コンサドーレ札幌MFクライトン(31)が、チームに合流しない可能性が出てきた。前所属アトレチコ・パラナエンセ(ブラジル)の公式HPに、クライトンが同クラブで来季新戦力になる方向と掲載されていることが26日、分かった。同HPによると、本人が復帰を望み、クラブ側も決断を待っている状態という。心臓病の父の看病という名目でグアム合宿に合流していないが、今季チームに加わるかは微妙な状況になってきた。

 札幌のチームづくりが根幹から揺らぐ可能性が浮上した。MFクライトンの前所属アトレチコ・パラナエンセが、クラブ公式HPに「クライトンが09年シーズンの新戦力になる」と掲載した。現在は本人の返答待ちの状況で、近日中に見通しが判明するとしている。昨年、加入から7日で退団したMFアルセウに続き、またしても中心選手がシーズン前にチームを去るかもしれない。

 クライトンの保有権は自身が持つため、契約に際しては意思は反映できる。ただし、札幌と今季契約をすでに結んでおり、破棄となれば多額の違約金を支払うことになる。地元での報道によれば、本人も支払う意思を示しているが、金額面で折り合っていない。アトレチコ側はクライトンに代わる選手も用意しているが、札幌側が断固拒否している状態だという。

 クライトンは心臓を患っている父の看病という名目で、グアム合宿には参加していない。合流時期について、札幌側は「まだはっきりしたことは分からない」としていたが、合流できない理由がほかにもあったことになる。関係者によると「(今後は)五分五分」。ブラジル人特有の待遇面での駆け引き的要素もはらんでいるもようで、すんなり合流する可能性も残っているという。

 石崎監督は今季チームについて、就任直後から「クライトンが軸」と明確にしている。もし、背番号10を用意したエースを失うことになれば、影響は計り知れない。アルセウ中心の構想が早々に壊れ、J2に降格した昨年の二の舞は踏みたくない。今後の行方が注目される。