【グアム5日=永野高輔】石崎サッカーは1人3役-。コンサドーレ札幌の石崎信弘監督(50)が、年間51試合の長丁場を乗り切るために、3つのポジションを掛け持ちさせる。今季の札幌は昨季より6人少ない27人体制。DF箕輪、曽田ら主力選手が負傷のため開幕には間に合わない。選手層の薄さと、出場停止でのメンバー入れ替えも想定した石崎流「ポリバレント」作戦でJ1昇格を狙う。

 最も多くの顔を持つのが本来ボランチのMF西だ。この日行われたサイドからの攻撃練習では左サイドバックに抜てきされた。「いろんなポジションをやるのはプラスになる」と西。昨年まではサイドハーフからトップ下もこなした。ボランチと、サイドバックを含めると3役どころか4役が可能になる。「彼の視野の広さが出れば面白い」と指揮官。左サイドバックの西嶋をセンターバックとして起用した際のオプションとして、大きなカギを握る。

 さらに石崎監督は、2年目FW宮沢を前線だけでなく、ボランチの位置に下げ戦術練習を敢行した。「ヒロキ(宮沢)はいい発想を持っているがミスも多い。いろいろポジションをやらせた方がいい」と指揮官。今キャンプ中は右サイドハーフに入るケースもあり3役が可能だ。宮沢自身も「FWになったとき、ボランチがどこを見ているか分かる」とFWとしての進化にも役立つ取り組みだ。

 FW石井、横野には両サイドハーフも経験させるなど、石崎監督は選手全員に新たなチャレンジを求めている。少ない人員を効率よく化学反応させ、戦力アップにつなげていく。