<J2:C大阪2-1仙台>◇第7節◇12日◇宮城ス

 香川が第2の故郷で決勝だ~ん!

 C大阪はアウェーの仙台戦で2-1と逆転勝ちした。1-1の後半31分、日本代表MF香川真司(20)が個人技で持ち込み決勝ゴール。中学1年から5年間を過ごした思いでの地で、チームの開幕から負けなしの首位キープに大貢献した。

 日本代表の技と切れ味だった。前半26分に先制されたC大阪が、同44分にマルチネスのゴールで追いついた。そして迎えた後半31分だった。ドリブルで切り込んだ香川が、仙台のDF5人を華麗に振り切る。最後は左足でたたき込んだ。仙台には昨年10月26日の対戦で逆転負け(3-4)し、入れ替え戦の出場を奪われている。香川は「いいイメージでシュートが打てて、悔しさを晴らせた」と笑顔を浮かべた。

 アウェーだが、香川にとっては温かい土地だ。中学1年から5年間、FCみやぎバルセロナに所属。この日、チーム関係者や知人約100人が応援に駆け付けてくれた。「先輩、後輩やスタッフの方々の前で結果を出せて良かった」と喜びもひとしおだった。

 香川のプロとしての原点もここにある。実家のある神戸から引っ越してきた当初は、環境の変化に慣れず体調を崩すことも多かった。だが、絶対に弱音は吐かなかった。「プロになるために、ここにきた」。常に宮城に来た目的を忘れないように、思い出して歯をくいしばって練習に取り組んできた。そんな過去も、この日の殊勲弾につながる。

 これでチームは開幕から6勝1分けと無敗で首位を快走する。レビークルピ監督が「最大のライバル」と位置付けた仙台を退けたが、香川は「勝利という結果は良かったけど、内容は不満なんで修正したい」と貪欲(どんよく)だった。